・電界効果トランジスタ(FET : Field Effect Transistor)の一種
★分類図追記
・Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor
金属酸化膜導体電界効果トランジスタ
・Nch MOSFETとPch MOSFETがある。
・構造は下記の通り
★構造図追記/回路図記号と並べて
・ボディー端子はソース端子と接続されている。そのため、市販のMOSFETは3端子になっている。
★説明図
・ゲート – ソース(ボディー)間に電圧をかけることで、チャネルを構成する。
電流はチャネルを流れる。
★ボディダイオード図
・ボディダイオード : ボディーとドレイン間がダイオード(PN接合)となっているため、寄生ダイオードとして振る舞う。(ボディーとソース間は短絡なので、ボディダイオードなし)
【各種特性】
・ID ドレイン電流。Nchはプラス表記(D→Sを正と表現)。Pchはマイナス表記(S→D)
・Vds Nchはプラス表記。Pchはマイナス表記。
●オン抵抗
・MOSFETはデジタル的なon/offではなく、オン抵抗が変化して電流が流れるというイメージを持っておいたほうがいい。
・VDSを一定の状態で、VGSを大きくするとIDが大きくなる。
⇒ チャネルの幅が大きくなっていくため。
⇒ オン抵抗が変化しているとも考えられる。
★VGS – ID特性の図
●MOSFETの飽和領域
・VDSを上げていくと、線形にIDが増えていき、ある値からIDは飽和状態になる。
・飽和領域では、MOSFETは定電流源として動作。
・VGSを高くすると、線形領域が広がる。飽和状態でのID電流が大きくなる。つまりオン抵抗が小さくなる。
★VDS-ID特性の図
●MOSFETの寄生容量(Ciss/Coss/Crss)
・MOSFETは各端子間に寄生容量を持っている。(Cgs/Cgd/Cds)
これらより入力容量(Ciss)、出力容量(Coss)、帰還容量(Crss)が定義されており、仕様書にはこちらが記載されている。
★式を記載
・Ciss/Coss/Crssとオン抵抗はトレードオフ。Ciss/Coss/Crssが小さいものは、オン抵抗が大きい。
・Ciss/Coss/CrssはVDSによって変動する。
●MOSFETのゲート総電荷量(Qg)
・ゲート総電荷量(Qg) : MOSFETを駆動させるために、ゲートに注入が必要な電荷量。単位はクーロン[C]。
・Qgが大きいと、MOSFETのスイッチングロスが大きくなる。
・一般にMOSFETのサイズを小さくするほどQgは小さくなる。
・Qgとオン抵抗はトレードオフ。Qgを小さくすると、オン抵抗は大きくなる。
★Qg – VGSの特性図
・Qgs領域 : MOSFETがonし始めるまでの電荷量。Cgsの充電期間。この期間はVgsはランプアップ。
・Qgd領域 : MOSFETがonし始めると、Vdsが低下し始める。この期間でCgdを充電する。この間Vgsは一定となる。この電圧をプラトー電圧と呼ぶ。(plateau : 高原、台地)。また領域はミラー期間とよばれる。
・その後の領域 : Cgdの充電完了すると、Vgsは再度ランプアップ。
設定されたVgsまで
★Vgsから必要な電荷量を読み取る方法
●トレードオフの関係まとめ
・電流容量が大きくなると、容量が大きくなる
・Ciss、Coss、Crssすべて小さい方が、スイッチング特性はいい。
●MOSFETを使用した回路例 (図だけ)
・詳細はこちらのページ参照
★MOSFET回路の図