回路設計

A/Dコンバータ

・Analog to Digital Converter。A/Dコンバータ。ADC。
・アナログ信号→デジタル信号に変換する回路。
 温度など身の回りはアナログ信号であるが、一方マイコンで扱えるのはデジタル信号。そこでA/Dコンバータが必要になる。

基準電圧、VREF、リファレンス電圧

アナログ信号のどの電圧範囲をA/D変換するのか基準が必要。
+VREF~-VREF(もしくはGND)の電圧範囲内でのアナログ入力が可能。

標本化(Sampling)、サンプリング、

アナログ信号を一定時間ごとに区切ることを標本化(サンプリング)という。
SPS(Sample per Second)という単位で表される。
ADCのサンプリングはクロックに同期して実施。

量子化(Quantization)

アナログ信号の電圧に対して、一定の電圧値で区切る操作を行う。これを量子化という。
量子化はVREFの範囲内。範囲外は下限値と上限値に丸め込まれる。
デジタル信号のビット数を”分解能”という。
・判別できるアナログ信号の最小振幅は1LSBとなる。
 VREF/分解能 = 1LSB
・例えば、10bitであれば、2^10 = 1024通り。
 VREF=5Vであれば、5V/1024 = 4.88mVが1LSBとなる。
・最上位ビットをMSB(Most Significant Bit)
 最下位ビットをLSB(Least Significant Bit)という。

エイリアシング(aliasing)、折り返し雑音

・標本化の際に周波数折り返しが発生
・標本化定理(ナイキスト定理)
 A/D変換したいアナログ信号の最大周波数の2倍以上の周波数でサンプリングする必要がある。
・サンプリング周波数の1/2の周波数をナイキスト周波数という。

・ADCを使用する場合は、前段にナイキスト周波数以上をカットできるLPFを入れる。この用途で使用されるLPFをアンチエイリアシングフィルタという。


ゼロスケール、フルスケール

A/Dコンバータの方式

各方式の概要

・逐次比較型(SAR)
  サンプリング周波数 1MHz以下
  分解能 8~18bit
・ΔΣ型 (デルタシグマ型)
  サンプリング周波数 数十kHz以下
  分解能 ~32bit
  高精度A/Dコンバータに分類される。オーディオ機器や計測器で使用。
・パイプライン型
 サンプリング周波数 ~1GSPS
  分解能 8~14bit程度
  高速A/Dコンバータに分類される。画像処理などで使用。

→ほかにもフラッシュ型(並列比較)、二重積分型などもある。



1bit 比較型A/D