雑記

自動車業界の用語

自動車業界の用語について調べたので、メモ書き。

自動車業界の用語

MaaS(マース、Mobility as a Service)

 マイカー以外のモビリティ(移動)を、まとめて1つのサービスとして捉える考え方。マイカー以外の移動方法は、例えば、電車、バス、自動車、タクシー、カーシェアリング、シェアサイクルなど。
 2024年現在は個別予約・個別決済が主であるが、これを一つのアプリやサービスで一括予約・一括決済できるようにする。現在地から目的地に行くための最適な交通手段の組み合わせを自動で提案して、決済も一括でできたら便利になる。

Tier(ティア)

自動車の部品を供給する企業の役割や階層をグループ分けしたもの。

Tier1

・自動車メーカーに直接部品を供給する会社
・エンジン、ブレーキシステム、エアバックなどの主要部品やシステムを提供
・例 : デンソー、ボッシュ、コンチネンタル

Tier2

・Tier1サプライヤに部品や材料を供給。
・半導体、鋳造、プレス産業など。

Tier3

・Tier2サプライヤに部品や材料を供給。
・金型や素材など、部品の基となる製品を供給。

CAN(Controller Area Network)

・ドイツのBosch社が開発したシリアル通信プロトコル。
・自動車や工場の自動化(FA = Factory Automation)などで活用されている。
・最大 1Mbps。
・CAN-H、CAN-Lの2本の通信ラインで、差動で動作して、送信/受信の両方を行う。
 - 電位差なしのとき : 論理値 = 1。リセッシブという。CAN-H/CAN-Lともに2.5V。
 - 電位差ありのとき : 論理値 = 0。ドミナントという。CAN-H = 3.5V、CAN-L = 1.5V。

ADAS(Advanced Driver Assistance Systems、先進運転支援システム)

・ドライバーの運転をサポートして、事故を防ぐためのシステム
・ADASの主な機能は下記など。
 [1]前方の障害物を検知して、自動ブレーキで衝突を防いだり、被害を軽減させる。
 [2]車線から外れたら、警告したり、ハンドルを自動調整して留まるようにする。
 [3]高速道路で、前の車と一定の車間距離を自動で調整。
 [4]道路標識をカメラで認識して、ドライバーに適切な交通規制情報を表示。

LiDAR(Light Detection and Ranging)

・光をつかって、物体までの距離を測定する技術。
・近赤外光、可視光、紫外線などを使って光を照射し、その反射光を光センサで捉える。
・レーザー光をパルス状に照射して、跳ね返りのパルスまでの時間差を計測して、距離を計算。
・距離だけでなく、位置や形状の3D情報も高精度に計測できる。
・360度の範囲をリアルタイムでスキャンできる。
・悪天候だと検知能力が低下
・ミリ波レーダーに比べて高価

ECU(Electronic Control Unit、電子制御ユニット)

車の中にある電子制御ユニット(コンピュータ)で、エンジンやブレーキ、エアバッグなどの動きを制御。自動車には数十~100個以上のECUが搭載されている場合もあり、各ECUが車載ネットワークを経由して、センサーやアクチュエーターと連携して制御している。

※ECUとMCU(Microcontroller Unit)の違い
 MCU : スマホや家電などに組み込まれている小型汎用コンピュータ。
 ECU : 自動車の特定の機能に特化したコンピュータ。複数のMCUを組み合わせて設計されることもある。車載用なので、過酷な環境(振動、温度、湿度)に耐えうる設計。

ゾーンECU(Zone Electronic Control Unit)

・従来のECUは、車のシステム(エンジン、ブレーキ、エアコンなど)を個別に制御。
・ZONE ECUでは、車はいくつかのエリア(ゾーン)に分け、そのゾーン内の機能は1つのECUに統合して制御。

eアクスル(e-Axle)

・電気モーター、インバーター、ギアボックスなどを一体化した駆動ユニット。
・電気自動車において、従来のエンジン+トランスミッションに代わる重要な部品。

自動車の種類に関する用語

EV(Electric Vehicle、電気自動車)

電動モーターを使って走る自動車。

[関連事項]
・日本 : 2035年までに新車販売で電動車100%の実現を目指すと政府が宣言。(2021年1月)
・欧州 : “2035年より二酸化炭素を排出する乗用車と小型商用車の新車販売を禁止”の方針を示す。(2022年10月発表)
・ただし、現状は各国でのEV化は失速中。

PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle、プラグインハイブリッド車)

・メーカーによってはPHV(Plug-in Hybrid Vehicle)と表記。
・ガソリンエンジンと電動モーターの両方を使って走る自動車
・普通のハイブリッド車(HEV、HV)と違って、外部の充電器にプラグを差してバッテリーを充電可。
・充電がなくなっても、ガソリンエンジンで走行可なので、長距離も安心。

SUV(Sport Utility Vehicle)

・買い物などの日常生活やアウトドア/キャンプなど、多目的で使用できる自動車のこと。
・明確な定義はなし
・必ずしも当てはまるわけではないが、下記のような傾向がある。
 [1]車高が高い。悪路でも車体と路面が接触しない。
 [2]広い車内スペースで、荷物をたくさん積める
 [3]四輪駆動。悪路や雪道でもしっかり走行可。

自動車のスペック項目

排気量

単位 : リッター[L]、シーシー[cc]
単位の換算 : 1L = 1000cm^3 = 1000cc

エンジンの中で空気と燃料が混ざり、燃焼することで動力を得ている。
エンジンはシリンダーという筒の中でピストンが上下して動いてる。
排気量は、シリンダーの中でピストンが動く容積の合計を表す。

・排気量が大きいほど、大きい動力を得られる。加速性能や最高速度の数値が上がる。
・大きなエンジンの方が走行時に静か。
 (小さなエンジンで100kmだと最高速度に近い領域で使用するため、うるさくなる)
・排気量が大きいと燃費が悪くなるが、技術進歩で燃費がいい車も増えてきた。

軽自動車 : 660ccまで
普通車 : 1000cc~2000cc程度

最大出力

・エンジンが1秒間に仕事をする仕事量
・単位 : 馬力
 日本だとPS(ドイツ語のpferde stärkeに由来)
 英語圏ではHP(HorsePower)と表記される。
 1秒間につき、75kgの物を1メートル動かす仕事量。
 1[馬力] ≒ 735.5[W]
・車がどれくらい早く走れるか、どれくらい重い荷物を運べるかの尺度

軽自動車 : 50PS~64PS程度
普通車 : 大体120馬力程度

・出力[kW] = トルク[N・m] × 回転数[rpm] × 2π ÷ 60 ÷ 1000 の関係式で表される

最大トルク

・エンジンが生み出す「回す力の強さ」。
・単位 : ニュートンメートル[Nm]
・トルクが大きいと、加速がスムーズ、坂道や重い荷物を載せても力強く走行可。

軽自動車 : 60Nm~100Nm程度

・出力[kW] = トルク[N・m] × 回転数[rpm] × 2π ÷ 60 ÷ 1000 の関係式で表される